日々うっかり
【真うかつエピソード6263】
前回のあらすじ:
氷の戦士はここまで率いてきた兵団をアンセロットの砦の騎士隊長アルワルドに引き渡しました。砦では甚大な被害が出ていました。
・・・ハイ、というわけでラプソディー・オブ・ファイアの名曲シリーズ、エメラルドソード・サーガの曲紹介、その5です。
さて今回のお話。
砦を離れた氷の戦士は、本格的にエメラルドソードの探索を開始します。第一の目標として象牙の門を開く為の鍵を手に入れなければなりませんが、まずはそのヒントを知る老魔法使いアレシウスの住むという緑の王国エルガードを目指しました。
長旅にはなりましたが夜明けの澄み切った空の下、ついに彼は目的地に到達しました(この辺りの情景をインストゥメンタルで表現したのが6曲目の「Virgin Skies」。チェンバロとリコーダーの音色が美しい曲です)。
てなところで5曲目の紹介といきましょう。ファーストアルバム「Legendary Tales」の7曲目、「Land Of Immortals」です。まずは2番Aパートまでの邦訳から。
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神々の大地
謹聴、風の沈黙が其方の命運をば形作れり いざ、彼の者どもの罪をば映す鏡を直視せん 不屈の魂のみぞ龍の呪縛を打ち破らん 心の欲するところに従いて、アルゴンの林間を越えよ
神々の大地よ、我は其の日を待たん 其方らの天上高く在る英知に届き給う 神々の大地よ、我と共に有れ 此処より、長しえに
古のクロンの廃墟近く、エルガードの丘の狭間にて 其方は年旧りたる小人の計に合わん 第二の鍵を得んとせば、血の海を越えねばならぬ 其は止むことなき餓えに苛まれしタロスの棲む処
エルガードの緑の谷の町に到着した氷の戦士は、ついにアレシウスと対面を果たしました。彼は氷の戦士にこれからの指針となる予言を与え、この先の旅に帯同することとなります。なおアレシウスはこの一連の物語の書き手である重要な狂言回しであり、2作目アルバム以降、ちょくちょくナレーションという形で出しゃばっ参加してきます。
それではそろそろ曲紹介に参りましょう。
お馴染みのコーラスが無いなど、完全にメタル寄りのナンバーですが、文句なくこのアルバムきってのキラーチューンです。メロディの美しさとメリハリの効いた構成、何より合間の間奏が一々カッコイイにも程があり、特にCパート直後のシンセとギターの掛け合いは非常に聴きごたえがあります。
Wikipediaによればこの曲がこのバンドのファーストデモだそうで、あんたらは最初からこんな完成度の高い曲を作っちまってたんかい!?と驚くこと必至です。
一方ニコニコ大百科によれば、ヴォーカルのファビオさんは、
加入当初は「こんな歌は完全なるクソだ!」とまで扱き下ろし バンドの中心人物であったルカに「絞め殺そうかと思った。」と言わせた事もある。 ※その時歌っていた曲は1stアルバムでも人気の曲のLand Of Immortalsである。
・・・だそうで、マジっすかファビオさん?この曲合わなかったらほぼ全部の曲合わないと思うんですけど・・・てか和解出来て本当に良かったです。
閑話休題、この曲ですが爽快なメロディーに比して歌詞は難解です。サビ以外はアレシウスが氷の勇者に語るアドバイスということでこんな感じでいいんじゃねぇかと思いますが、問題は♪ラーンドオブイモータルズの方。Immortalには大別して3つの意味があり、
1.大元の意味であるところの「不死者」
2.転じて「神」
3.「不滅の」とか「不朽の」
どれにするかで歌の印象が随分と変わります。悩んだ末2.を選択しましたが、根拠としては氷の戦士が北方の出身である、という点ですね。今回の次の次に取り上げる予定の「Lord Of The Thunder」という曲があるのですが、北方人が雷の神とか言い出したらそりゃあ雷神トールを思い浮かべますよねぇ・・・。つまり氷の戦士は北欧神話に準ずる神を信仰しているのではないかと。でー、北欧神話には戦場で散った勇敢な戦士は死後勇者の殿堂であるヴァルハラへ迎え入れられる、という伝説がありまして、Land Of Immortalsとはすなわちその死後の天上界を指しているのではないか、と推論したわけです。「不滅の大地」・・・もカッコいいですけどね、Immortalsとsが付く以上これは複数形の名詞です。しかし、辞書に形容詞で「不滅の」はあるけど名詞で「不滅」とは載ってないんだよなぁ。
てなところで今回は終わりです。次回は「Legendary Tales」の8曲目「Echoes Of Tragedy」を予定しております。
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