地獄少女・二篭

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<真うかつエピソード3027>
 という凄いタイトルのアニメをCSの子供(一部大きい子供)向け放送局のキッズステーションでお盆の間中連日一挙放送していたので、ちょっと見てみました。内容は、憎んでも憎みきれない相手を「地獄少女」と呼ばれる謎のセーラー服のお嬢ちゃんと三人の手下妖怪が、あの手この手でサクっと地獄流しにする、という言わば現代版「必殺」なのですが、本家「必殺」と違ってあまりに見終わった後に何のカタルシスも無い痛いオチの話が多く、どうしようかな~と思いつつ結局最後まで見てしまいました。

 なんでカタルシスが無いかというと、キモである「地獄流し」のシステムそのものに問題があるからです。「必殺」シリーズの場合は、さんざん酷い目にあった依頼者が、なけなしの金を払って憎い相手を殺してもらうというシステムで、依頼者のリクスはせいぜい料金ぐらい。対する「地獄流し」の場合は、「殺し+その後地獄送り(場合によってはオプション付き)」なのですがターゲットの多くは、どうしようもなく腐った連中ばっかりで、ほっといても地獄に流されるような悪人が殆どです。依頼の代償は依頼者自身が「死後地獄に送られる」。つまり散々痛い目にあった依頼人は、地獄流しの契約を済ませた時点で死後の地獄行きが決定してしまうワケですね。被害者なのに地獄行きというのは納得出来ない依頼人や、綺麗事を言っても所詮やってることは代行殺人というワケで躊躇する依頼人も多いので、依頼から遂行までの間、執行猶予の期間が設けられますが、その間に更に事態が深刻になることもしばしば。

 で、殆どの話では「地獄流し」が遂行され、依頼人の死後の地獄行きが決定するので、どうにもカタルシスが無いのですよ。まぁ、依頼殺人は法律上でも重犯罪なので、それぐらいのリスクは負うのが当然で、「必殺」が甘いという考え方もありますが。

 また、この地獄流しシステムにはかなり重大な欠陥があります。相手を呪い殺したいくらい憎ければ、誰でも依頼が可能なのですが、それはつまり依頼人の勘違いその他で、ターゲットが冤罪だった場合、何にも悪事を働いてなくても殺して地獄送りにすることが可能なのですよ。実は最終4話位がそういう話で、この欠陥システムを取り繕ったところで最終回を迎えます。まぁ、取り繕うことは出来たけど、最後までカタルシスは無かったなぁ。

 というわけで、とにかく最後まで見続けてしまった地獄少女・二篭ですが、何で見続けたかというと、こういう嫌な話決して嫌いじゃないから、というのと、キャラクターが何気に魅力的だったからです。地獄少女の手下3人が妖怪なのに妙に人間臭くていい感じなのですが、特に江戸訛りの好々爺・輪入道が渋くて良し。映像も美麗なので、とりあえず嫌な話好きにはお勧め出来ます。痛いなりに毎回必ずオチはついたしね。

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<本日のアウトドアJIS コード:97d0 「厘」>
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撮影地:青森市・野尻
備考:青森地名行き倒し計画推進中。野尻の居酒屋。
Posted by Haruko

カテゴリ: テレビ