浅見光彦ーっ!

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<真うかつエピソード2195>
 本屋に内田康夫の「津軽殺人事件」という文庫本が平積みになってたので、思わず買ってしまいましたよ。この小説、初出は1988年ということで結構古いのだけれど、最近徳間書店から再文庫化された模様。

 で、感想。あらすじは、太宰治の描いた絵を巡って東京で殺人事件が起こり、おなじみ浅見光彦が弘前に住む被害者の娘とともに調査する、といった感じ。推理小説としてみると、論理の組み立てが強引で、特に最後の方駆け足気味ではあったけれど、旅情ミステリーとしては面白かったです。津軽の泥臭い風土の描き方などなかなかのもの。ただ、蟹田町役場はまるで小樽のニシン小屋とか、五能線五所川原駅は牛小屋よりボロいとか、津軽をうるおしてきたのは公共投資のおこぼれ、とか東京のボンボンの口から言われると妙に腹が立ちますな。おそらくどれも事実だと思われるだけに。
Posted by Haruko

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