正15角形

agif
次回のコミケのネタは正65537角形作図法にしようかなと。 マニアックすぎるかなぁ?w

ということで、まずはネタフリ。

今回は正15角形。

定規とコンパスだけで作図可能な素数の正多角形は 3, 5, 17, 257, 65537です。それより大きい作図可能な正多角形が あるのかどうかは分かっていません。

そしてそれらの数を掛け合わせた数もまた作図可能です。 ただし1つの数は1回しか使えない。つまり、正9角形は作図できないけど、 正15角形は作図可能なのです。その理論でいえば作図できる最小の奇数の正多角形は 4294967295角形ということになりますね。

で、やり方ですが、正三角形と正五角形が作図できる人なら結構簡単です。 実際、正三角形と正五角形が正15角形には含まれるので、図の X5とX6が正15角形の弧になるから、これをもとに円を区切っていけばokです。

それで解決といえば解決なのですが、しかしまた、 以前にも書いたように、これは方程式、

x15-1=0 --(1)

の根と関係があります。それはガウス平面に書けば、半径1の円上の点を15等分した点になります。

「定規とコンパスで作図が出来る」ということは 「方程式の係数からはじめて、平方根と加減乗除を繰り返すだけで解が求まる」 ということと同値。

故に(1)が方程式として解けることに他なりません。 そこで今回はこれをといてみようかなと。

まず(1)式を因数分解。 自明な解1があるから、(x-1)で因数分解できるのはガチ。

残りですが、 3乗根および5乗根もまた根になることがわかっているので (x2+x+1)および (x4+x3+x2+x+1) で因数分解できます。 計算してみると

x15-1=(x-1)(x2+x+1)(x4+x3+x2+x+1)(x8-x7+x5-x4+x3-x+1) となります。この4項目の8次方程式

x8-x7+x5-x4+x3-x+1 --(2)

が解けてしまうのです。どうみても解けそうにないこの式が解けてしまうというのは なんとも不思議です。この式の8根は、ガウス平面状のX1, X2, X4, X7, X8, X11, X13, X14になるのはわかっています。つまり

(2)=(x-X1)(x-X2)(x-X4)(x-X7)(x-X8)(x-X11)(x-X13)(x-X14)

右辺を展開すれば

x8-(X1+X2+X4+X7+X8+X11+X13+X14)x7 +...+X1X2X4X7X8X11X13X14

だから(2)式とx7の項と定数項の係数を比較すれば

X1+X2+X4+X7+X8+X11+X13+X14=1

X1X2X4X7X8X11X13X14=1

となります。

ここでちょっと中断して基本事項の確認。

X5, X10は1の3乗根(つまりω)、すなわち x2 + x + 1の解だから、
また、X5 + X10 = -1。

X3, X6, X9, X12は1の5乗根、すなわち x4 + x3 + x2 + x + 1の解だから、全部足すとやはり-1。

これを踏まえて次のステップにいきます。

A0=X1+X2+X4+X8
A1=X7+X11+X13+X14

とすれば

A0 + A1 = 1

です。一方 A0A1を計算してみると

(X1 + X2 + X4 + X8)(X7 + X11 + X13 + X14)
=(X1 + X2 + X+4 + X+7 + X+8 + X11 + X13 + X14)+ (X3+X6+X9+X12)+4X15
=1 -1 + 4 =4

故にA0, A1は x2 - (A0+A1)x + A0A1、すなわち x2 - x + 1の根で



次に

B0 = X1 + X4
B1 = X2 + X8

とすれば

B0+B1 = A0

B0B1 = (X1+X4)(X2+X8) = X3 + X9 + X6 + X12 = -1

故に同様に計算すれば



最後に

X1 + X4 = B0
X1X4 = X5 = ω

だから



となります。これが解(の1つ。そして偏角が最小のもの)。式で書くと



根号の符号をどちらに取るかという問題があるけれど、正しく選択すればX1が見事に求まります。

なおgoogleで計算するとこうなります。→検算結果
Posted by issei

カテゴリ: 数学

コメント一覧

凄ぇ! 何が凄いって、TeXみたいに数式書けてる。オリジナルblogエンジンの威力?
kaz