日々うっかり
【真うかつエピソード7024】
前回の続き。
入院生活も一週間が過ぎた頃、比較的元気だったおばあちゃん(よく喋る人とそうでもない人)が相次いで退院されていきました。加えて半分寝たきりのおばあちゃんが手術のためICUへ移動し、一気に人が入れ替わる事に。
新しく入ってきた方は、今まで見た中では一番若い(と、いっても60代)、仕事も経理でオイラと似たような職種ということもあり、結構簡単に打ち解ける事が出来ました。それともう一人、こちらも60代、オイラからはベッドの位置が離れているのであまり話しませんでしたが、経理の人とは位置も年も近かったので、こちらもすぐに仲良くなったご様子。
そして最後に来られた方・・・実はこの人がなかなかの曲者でした。全く包み隠さず正直に言っちゃうと、今まで出会った人の中でも最大級に苦手なタイプでした。
どのあたりが苦手かというと、まずは喋る話の内容。大まかに分類して自慢話とグチと文句なのですが、自慢話はともかくグチが必ず会話の相手に同意を求める感じなのです。例えば、
「ここのご飯って不味いわよねぇ、ウチの犬だって食わないわよ、そうよね?」
とか、全てがそんな感じで。適当に流しましたけど、こっちがそは思ってもいないことまで回答にyesを求められ続けるのはしんどいです。一度反論してみましたが、基本的に年配者という奴は若造の意見など微塵も聞かねェということが分かっただけでした。
文句は主に看護師さんに関することなんですけど、結構いい度胸をしている方で、些細なことでもイチイチ本人に直接言うもんだから、それを日に何度も聞かされるこちらも辛いです。
あまり文句の垂れ流しを聞くのも厳しいので、一番無難な話題、自慢話になるように誘導すると、なぜか過去のヤンチャの武勇伝の話になっていて、これがここではとても書けないような話だったりしちゃったり。
もうね、一言でいうとこういうことです。この状況、
逃げ場が無いもんね。
その13につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7022】
急に画面がブラックアウトしたので、コードが外れたのかな?と思ったけどしっかり繋がってるし、よく見たら電源そのものが落ちてたのよ。コードを抜き差ししてもウンともスンとも言わないので、あ、こりゃダメだな、と。ホント壊れる時って立て続けだなぁ。
古い奴だししょうがないな、って新しいの買ったんですけど、もうちょっと前に壊れてくれたらパソコンも画面一体型のを買ったのにな、トホホ。
【真うかつエピソード7021】
前回の続き。
入院生活6日目、ようやく歩行リハビリが始まりました。つっても最初は部屋の入口まで、徐々に距離は伸びていきますが、まだトイレまでは行けません。まぁでも明日からは自由にトイレに行けるはずさっ!と前向き気分で眠りについたその夜、
・・・
・・・
・・・
なんか、揺れてるな・・・しかも長いな・・・長い割には強くはないな・・・これはアレか?ここから遠からず近からないどこかでデカい地震が起きているのでは・・・
と、思ってスマホで確認したら北海道胆振東部地震でした。
次の日の朝から病室の話題はそれで持ちきりです。幸い海を挟んだこちらでは被害は殆どありませんでしたが、隣の都道府県の話、親せきや知り合いがおられる方も多く皆さん案じておられました。
さて、オイラの方ですが、不安を抱えつつリハビリ開始。つっても看護師さんの付き添いで病棟内一周(約100m)するだけですが、結構な気分転換にはなりました。道中体重計があり計り方を教えてもらったので、早速どんぐらい痩せたものかと計ってみたところ・・・
アレ・・・?
全然変わってねぇ・・・。これだけ寝て起きてしかも粗食の生活でこんなもんかね?いやまぁ何かを期待していたわけではないのですが。
その後毎日体重測定しましたが、結局退院するまで殆ど変化が無かったということです。
そんなこんなで結構順調そうに思えたオイラの入院生活でしたが、この後最大級の落とし穴が待ち構えていたのです。
その12につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7018】
前回の続き。
一般病棟に越してきたので、とりあえずスマホの使用が可になったのはいいのですが、基本許されているのはメールの使用のみ。通話は禁止です。
ではアプリは?と、なると音を出さなきゃ基本OK。とはいえ、看護師さんやその他諸々スタッフが忙しく立ち回る中堂々とパズドラやらコトダマンやらで遊ぶのも何だか申し訳ないので、
基本コソコソと。
朝の5時から点灯時刻の6時あたりに布団かぶってやったり。修学旅行の高校生か!
まぁ後々だんだん面倒になって大っぴらにやるようにはなっていきましたが。とりあえず3日ぶりに遊んだパズドラは、フレンド5人に切られていたもののめっぽう面白かったということです。
一方コトダマンの方は超大型アップデートがあり、それで思いっきり貴重な通信量を消費するハメになりました。wi-fiが使えなかったこの月の通信量の実に5割以上がコトダマンでした。まぁ前より大分遊びやすくなりましたけどね。
コトダマンといえば電池消費量がべら棒に多いことでも知られていますが、実はこの病院では基本個人的な充電は許可されておりません。しかしこの世の中携帯の充電も許されないのでは色々と立ち回らないのも事実で、ダメだけど見逃してくれているのが現状でした。とはいえやっぱり忍びないので、なるべく家人にフル充電したバッテリー持ってきてもらってしのぎました。
さて、そんなこんなで一般病棟に移った次の日、ようやくトイレで排泄の許可が下りました。と、いっても正規のトイレ(?)ではなく、ポータブルトイレです。これをベッドの脇に置き、看護師さんの介助の下いたせ、と。
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・・・
・・・
まだまだ抵抗はありましたが、しょうがないよね、出るものは出るし。なるべく食事の時間をさけて遠慮がちにいたしましたよ。
えーそんなの恥ずかしい、出来ないよぉ~不潔ぅとか抜かすそこの潔癖症、入院するとそんなこと言ってらんねぇんだからな、実際。
その11につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7016】
前回の続き。
入院生活4日目の午前中、ついに待ちに待っていたこの日が訪れました。
「HARUKOさーん、じゃあ本日から一般病棟に移りますねー」
心の中でガッツポーズです!今日からスマホも使えるし、規定時間内ならお見舞いも自由にOK(ICUは家族のみ30分以内でした)。
ところで一般病棟と言っても部屋は色々あります。差額ベッド代を払えば個室もあったりしますが、こちとら薄給の身分、そういう贅沢は出来ません。デフォルトの6人部屋で十分です。
でー、オイラは一般病棟に移ったといっても、点滴やら尿道カテーテルやらぶら下げてる、まだベッドから降りることを許されない安静の重病人です。移されたのも、比較的トイレから近い部屋の窓側でした。オイラ以外の他の患者さんは、近々退院を控えた比較的元気なおばあちゃんが2名、寝たきりのおばあちゃんが2名、あと一つは空きベッドでした。
このうち退院を控えたおばあちゃんのうち1名が、まぁよく喋る喋る。部屋を移って2時間後には、家族構成からどの辺に住んでてどこの病院に通ってるか等の個人情報を殆ど知ってしまったし、数日間でこれまで歩んできた人生から、いとこはとこの情報まで殆ど覚えてしまうという、なかなかの喋り好きでした。そこのくせコチラの個人情報は殆ど聞きたがらないんだよなー。これはこのおばあちゃんに限らず、ほとんどのご高齢患者さんに共通する傾向でしたがね。要するに二回り以上も年の離れた若造の話なんぞに興味はないのでしょう。逆にありがたかったけど。ただ、入院する羽目になった病名といきさつだけは、大概の人には食いついてこられましたが。
そうしているうちにお見舞いの家族がやってきてくれたので、ついでに病院の売店で本の買い物を一つお願いしました。まだ行ってないけど、この病院の売店は全国チェーンのコンビニでして、絶対売ってると思ったその本は、
数独です。
非常によい暇つぶしになるので、入院のお供にはお勧めですよ。
その10につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7013】
前回の続き。
ようやく食事をとれる程度まで回復したオイラ。食事は相変わらず薄味だし、おかゆから変えてもらった普通の白いご飯はチト固めであまり温かくはなかったけど、よーく考えてみたらオイラの子供の頃の学校給食のご飯は冷え冷えで固かったし、パンはスカスカで不味い上に量が多すぎだったし、おかずだって毎回好物が出てくるわけではございませんでした。そして今の若いモンにゃあ想像もつかんかもしれないけれど、その頃の学校給食って奴は残すことを許されず、時間内に食べられなかった場合は休み時間を全部使ってでも食べさせられたモンなのよ。その頃のオイラは小食で偏食も多かったのでずいぶん昼休みを無駄にしたものでした。
あの時代に比べりゃ随分マシな食事なわけで、実際毎回殆ど完食しましたよ。
閑話休題。なんやかんやでオイラのICU入院生活も三日目を迎えました。相変わらず寝たり妄想したりの時間の使い方でしたが、テレビを見る時間はそこそこ増え、
笑点とか、
鉄腕DASHとかイッテQとか見る余裕は出来ました。
ところで食事をとり始めてから2日。オイラとしても気になってはいたのですが、看護師さんからとうとう言われてしまいました。
「HARUKOさん、全然おっきい方出ませんねー」
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・・・
・・・ええ;。まぁだってオイラ、ベッドから降りることすら許されていませんので、するとしたらまぁパンパースになんですが、えーっとそれはちょっと心持ち抵抗があると言いますか、そういった心理面が反映されていたのか事実この後も極度の便秘状態が続いたのです。
その9につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7012】
色々面倒でほったらかしにしていたんですけど、さすがに何とかしないとアカンと思い、重い腰を上げました。
ヒイコラ言いながらセットアップを完了したので、次は必要ソフトのインストールなんですけど、今まで使っていたソフトは出来れば継続して使いたかったのよ。んでも使ってたEXCELのバージョンが、
2007とか。
さすがにコレはヤバいと思い慌ててマイクロソフトのダウンロードサイト見に行ったところ、OffceってExelだけの単品ダウンロード販売しとらんのな。Amazonとか見ると単品販売もしてるように書いてるけどどうも怪しい・・・うーん、wordはまぁ使うかも、として年間契約だとパワポとかついて12,744円、永続で最安値32,184円ね、相変わらず結構高いよな。
【真うかつエピソード7011】
前回の続き。
ICU入室2日目。ようやくベッド上での体の自由を確保できたオイラは、ちょっとずつですが水を飲めるようになったり、ご飯を食べられるようになりました。その日のお昼はたまたまパンだったのですが、
久々に食べたパンの美味かったこと。
入院して初めて笑みがこぼれた瞬間でした。おかずのシチューと、デザートの生パイナップル、シャイニーアップルジュース(青森県民のソウルドリンク)もポイント高かったです。
さて、食事がすんだら何をやるかっつったら、まぁやることが無いんですよねー。基本ICUには私物の持ち込みは禁止、唯一許されている娯楽はテレビなのですが、これもイヤホンorヘッドホン使用で時間制限があります。制限がある以上見る番組は厳選する必要があります。その日は土曜日、となると午後は緩い旅番組とかしかやってないなーと踏んだオイラはこの唯一の娯楽をしばし放棄、退屈との戦いが始まりました。つか、気づけばまた頭の中でパズドラとコトダマンやってたよ。どんだけスマホ依存症なんだよオイラ・・・。
とか何とかやってるうちに数時間が経過し、ようやくテレビをつけたオイラが最初に見た番組は「青空レストラン」でした。その後やたらと料理番組とグルメ番組ばっかり見るようになったのは、この時に変な刷り込みがあったからかもしれません。
その後番組が終了するころに夕食が運ばれてきたのですが、あれ・・・夕食はパンじゃないんだ。おかゆかー、しかもなんか丼鉢一杯分ぐらいあるな。まぁいいや、メインディッシュの煮物は・・・
・・・
・・・
・・・
味薄っ!!!
それもそのはず、基本心臓病患者という奴は脂質と塩分が制限されているのです。えー・・・この先普段の食事はずっとこんな感じなんかい・・・。
ランチでこぼれたせっかくの笑みが消えてしまいましたとさ。
その8につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7009】
前回の続き。
ICUに担ぎ込まれて24時間の絶対安静を言い渡されたオイラ。最初は局所とはいえ麻酔が効いていたせいか、まぁまぁぐっすり眠れていたのですが、深夜になるとバッチリ目が冴えてきてしまいました。といってもこちとら比喩的な意味でも物理的な意味でもベッドに縛り付けられた重病人、やることと言ったら寝るか考え事をするしかありません。前者は目が冴えちまっているので、やるこたぁ後者です。改めて自分の置かれた立場を考えると、エラいことになっちまったなぁ、と冷や汗が出てきました。
まぁでも倒れたのが月末だったのは勿怪の幸いかもしれない・・・仕事上の厄介ごと、支払いとか請求書の発送とかは大筋で終わっているな・・・そうはいっても入院長引いたらどうしよう。つか、オイラまだまだ死ぬ可能性が残っているんだよな・・・まぁでもそれは今は考えないことにしよう。パズドラのフレンドは結構切られちゃうんだろうな・・・8月のクエスト報酬を受け取ってメールも整理しておいたのはラッキーだったけど・・・リヴリー5000日以上飼ってたのに死んじゃうな・・・そういえば台風来てたんだっけ・・・コトダマンはログインだけでもしたいなぁ・・・つか喉乾いたなぁ・・・この先ペヤングとか食えないんだろうな・・・
と、考え事がぐるぐる巡るうちに本格的に考えることも無くなり、気が付けば頭の中で盤面を作り勝手にパズドラとコトダマンを始めては、あ、でもこの盤面クリアしたって魔法石は貰えないんだよなー、と今思えば本気でアホっぽい不毛な妄想を繰り返しておりました。
そしてまたしばらくすると、ジワジワと腰のあたりが痛くなってきました。理由はよくわからんのですが、人間体の動きを束縛されると、ビックリするぐらい一極集中で腰が痛くなってくるのです。頼めば看護師さんがポジションを変えてはくれるのですが、体を左右に90度ほどずらす以上のことはできず、またその際も右足だけはピッキーンと伸ばしておくように指示され、多少は楽になっても痛みの根本解決にはならないのが辛いところ。
で、もうアカン腰が痛くて泣きそう・・・ってなったあたりでようやく絶対安静が終了、主治医の先生が股関節のカテーテルを抜きに来てくれました。これがまた手術室に移動するのかと思いきや、カーテン一枚で仕切られた狭い病室の中で麻酔を打たれ、まるで肉の芽でも抜くようにスルスルスルと抜かれましたとさ(考えてみたらここは集中「治療」室だったなぁ・・・)。
これでまだ足はまっすぐにしておくようにとは言われたものの、体勢は自分で変えられるようになったので、だいぶ楽にはなりました。
こうして一山越えたオイラではありましたが、その後またまた別な問題が降りかかってきたのです。
その7につづく。
←その1。
【真うかつエピソード7006】
前回の続き。
手術が終了し、ICUに担ぎ込まれたオイラ。
ところで皆さんはICUというとどんなイメージをお持ちかな。日本語だと集中治療室。文字面から言っても、何か瀕死の重病人が殺風景な個室で体中に管刺されて、最新鋭の生命維持層に繋がれ、ウォーズマンよろしくフーコーフーコー言ってる感じかな。
実際のところはもう心持ち砕けていてですね、大部屋に看護師の詰め所があり、その奥に壁とカーテンで4つか5つに仕切られた、一般病棟よりちょっといい治療装置が置かれたベッドルームがありまして、何らかのアクシデントが発生したり、ボタンで呼べば詰め所の看護師さんがテキパキと処置してくれる部屋、と言った方が雰囲気的には近いです。ま、これは病院によって結構違いがありそうですけど。
で、先ほどのイメージもあながち間違っていないというか、この部屋に担ぎ込まれた時のオイラの状態が、
ザ・重病人。
で、ございまして。
これに加えて24時間の絶対安静、この間、
1.飲まず食わず
2.勝手に寝返り厳禁。体勢を変えたくなったら看護師さん呼ばないとダメ
3.特に股関節のカテーテル抜けたら命にかかわるので、右足はベッドに括り付けられた状態
と人生最大限に行動を束縛された時間でした。
それでも麻酔が効いてる間はマシだったのですが、切れてからが更なる忍耐の始まりでしたのよ。
その6につづく。
←その1。
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