日々うっかり
【真うかつエピソード7028】
前回の続き。
厄介な同室者とのコミュニケーションで図らずもメンタルを削られるハメになったオイラでしたが、フィジカル面では結構好調で、術後の後遺症もなく、リハビリもどんどんこなし、ついには病棟内歩行自由の許可を取り付けました。この調子ならそろそろ院内コンビニまで行けるんじゃないかんーっとスマホに電子マネーアプリをダウンロードしちゃったり。
そんなこんなでまぁまぁ順調に回復していったオイラでしたが、ここで6人部屋の空いていたオイラの向かいのベッドにもう一人患者さんが入ってくることになりました。この方がまた前回の人とは別の意味で曲者で、ちょっと認知症が入ってるらしく、どなたとも自分から話そうとはしません。最初はおとなしくていいおばあちゃんだなーっと思ってたのですが、たまたま床に落ちたものを拾ってあげたのを切っ掛けに、何かしてほしいことがあると、いちいちオイラの方をじーっと見つめてくるようになりました。といっても例によって向こうからは喋らない人なので、「何か用ですかー」とこちらから話しかけることになります。でも返答はありません。
「何か落としました?」
無反応。
「テレビ見たいの?」
「おトイレ?」
「う〇こしたい」。
万事がこんな感じで。
しょうがないので、ナースコールして看護師さんを呼んであげたりするんですけど、喋れないわけではないので、次から自分でナースコールして下さいねー、といっても自分からは微動だにせず。こちらが手を出さなければ自分でやるかなー(病棟内では自立を促すために出来ることは自分でするのが基本です)と思って極力視線を合わせないようにしていたら、なんか一日中、
こっちを見つめてくるようになりました。
ここまでくるとホラーです。
せっかくリハビリが順調なのにこれではSAN値が底をついておかしくなってしまう!と、危惧したオイラはひたすらリハビリを頑張り、一日も早く退院しようと心掛けました。実際順調だったしこれなら来週あたりには退院は無理だろうけど、一時帰宅の許可を取り付けてたまった仕事を片付けられるかな・・・なんて話を見舞いの家族にしたところ、
「お前心筋梗塞舐めすぎ、ポータブル心電図も外れてないのに帰宅許可とか出るわけないじゃん」
・・・ま、実際このポータブル心電図が外れてないおかげで、電波の届かない売店まで行く許可が下りず、せっかくダウンロードした電子マネーアプリも使えずじまいだったんですけど・・・でもそれならいつ頃退院出来ますかいね?
「わかんないけど〇〇(同じ病気になった親族)の時は3か月ぐらい入院してたな」
・・・
その14へつづく。
←その1。
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