日々うっかり
【真うかつエピソード6323】
前回のあらすじ:
アルガロードを出立した氷の戦士率いる魔法王国軍は、ついにダークランド軍と激突した。
・・・ハイ、というわけでラプソディー・オブ・ファイアの名曲シリーズ、エメラルドソード・サーガの曲紹介、5thアルバム「Power Of The Dragonflame」より5曲目の「When Demons Awake」のご紹介です。なおこの場面には少々残虐かつ暴力的な表現が含まれます。心してご覧ください。
・いよいよ魔法王国の歴史上、最も激しく、また最も陰惨とされる熾烈な戦いが始まってしまいました。
状況説明は殆ど歌詞に記されています。てなわけで一番の邦訳歌詞のご紹介から入ります。
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悪魔が目覚めし時
嗚呼神よ!見捨てる事なかれ、我は生きねばならぬ 不浄なる光景、永劫の血塗られし夜 彼奴は儀式を宣告し、汚辱に塗れし女王が目覚めぬ 因はあの剣に有り、我が剣は今やアクロンの手中 悪魔の吐瀉物、死の猛毒 其が我の理性を打ち砕き、我が行く手を阻めり 奴等は血を飲み干し、犠牲者の苦痛の中恍惚に浸れり 血肉を喰らい、脳髄を貪り尽くしつつ 脳髄を!脳髄を!
地獄の底より吐き出されし死者と吸血鬼 其は邪なる王に従いし新たなる軍勢 神々の復讐、直に奴らの頭部を切り落とさん 嗚呼!混沌の運び手よ、貴様は全てに代償を払わん! 我が周囲に臓物が降り注ぎ、同胞達は切り裂かれん 嗚呼!傷付きし貌よ、飛び散る軍勢と骨よ 血塗られし下郎共を打ちのめさん、悪魔の穢れし魂を 貴様の下劣なる申し子を忘却の彼方に屠らん 申し子を!申し子を!
我こそは北方の戦士 迫り来し死者の軍団を狩る者 我こそは無慈悲なるタイタンの使徒 今や悪魔が目覚めし時、其の時なれば
・状況は明らかに不利でした。
・ダークランド軍の先兵として送り込まれたのは主に暗き地平線の女王率いる死者の軍団・・・
・奴等は恐れを知らない上に、人間を餌としか認識していない恐るべき敵であり、しかもいくらでも補充が効くので捨て駒としても申し分のない連中でした。
・戦士も獅子奮迅の如く戦いました。しかし自分の周囲の敵を蹴散らすのが精いっぱい。
・前線の兵士たちは次々に手足をもがれ、首を刎ねられ、しかもその死体を無残にも喰われ・・・血を吸い取られ・・・
・そんな悲惨な状況にも関わらず、戦士は一切部下を手助けする事が出来ませんでした。
それではそろそろ曲紹介に参りましょう。
このアルバムでは最終まとめソングに続く長さを誇る6分オーバーの大作です。ジャンル的には実にわかりやすい、ずばり、デスメタルです。この曲前奏が一分以上あるんですが、終了後にいきなりファビオさんのデス声が響いた時は流石にビックリしましたよ(^^;。しかも声が左右のスピーカーから交互に聞こえるという凝った仕様、激戦の中部下がバタバタ斃れているのに何もできない自分への葛藤が自問自答という形で表現されている、といったところでしょう。テンポを落としたサビの口上も悲壮感タップリで実に素晴らしい。デスメタらしく途中で思いっきり"F**k you"なんて言っちゃったりもしてますが(全47曲中このリリックが出てくる唯一の曲です(^^;)、デスメタ部とサビのメリハリが効いた逸品、個人的にはこのアルバムではPower Of The Dragonflameに次ぐお気に入り曲です。
惜しむらくは間奏のシンセの8bit風安っぽい音色がちょっとなぁ・・・とは思いますが。この音色はアルバム中の他の曲でも使用されていますが、特にこの曲では悪目立ちしております、ホント惜しい。
あと、この曲スタジオでは重ね撮りが出来るから問題ないけど、ライブではどうするんだろうな?ツインボーカルでもない限りどう考えても息が続かないと思うんだけど・・・という心配はどうやら「ライブではやらない」という手段で解決したようです(^^;。ちなみにカラオケにも入ってません・・・DAMのリクエストには登録されてるけど一人で歌えたら大したもんだ。
ではもう少しだけ話を進めましょう。
・戦士が部下を手助けできない、それには大きな理由がありました。
・まずこの戦争における彼の「しなければならない事」の優先順位について説明せねばなりません。
・「1.アクロンの討伐」。これは何よりも優先される目的ですが、あくまでも最終目標です。
・「2.エメラルドソードの奪還」。アクロンを斃すには絶対に必要なものです・・・1.と同等の優先順位といっていいでしょう。
・「3.アクロンの軍勢を打ち破る事」。ここから先は努力目標、ということは国王やアレシウスから口酸っぱく言われていました。
・「4.アルガロードの防衛」。王都を落とされては事実上の敗北ですが・・・それよりもアクロンを何とかするのが彼の役目なので優先順位としてはこの位置。
・この時点でかなりの無理ゲーですが、これに加えて1~4を達成する為の戦士個人の目的として「5.ダーガーの説得」があります。
・以上の事を踏まえた上で、実は1~5よりも更に優先順位の高い「やってはならない事」がありました。
・「0.大前提としてアクロンを斃すまでは何があろうと絶対に死んではならない」。
・予言書に書かれた勝利に到達するには、エメラルドソードの正当なる所有者である戦士は、アクロンに止めを刺すその時まで確実に生き延びねばならないからです。
・その為には部下がどんだけ死のうと構ってはならない・・・生き残る事を最優先にしなければならない・・・
・自分の為に誰かが犠牲になる・・・これは戦士にとって耐え難い苦痛でした。
・心を鬼にして無慈悲になり切る事を決めたはずの戦士・・・ですがこの状況は確実に彼の心身を蝕んでいきました。
・しかも、これ以外にも更に戦士を苦しめ、決定的に追い詰める事になる別の出来事が、この後に起こったのです・・・
てなところで今回は終わりです。次回は5thアルバム「Power Of The Dragonflame」の6曲目にして、今回に引き続きタイトルからして嫌な予感しかしない、「Agony Is My Name #1」を予定しております。
・Youtubeで When Demons Awakeを見ちゃる
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